「え!!! おそろっち!?!? おそろっちするーーー!?!?」
「じゃあ私が書いてあげます!!! えへへ!! 超デコっちゃお~ぜったい可愛くしてあげますから私!!! ねーねー何色がいい? 何色が好き~~!?」
キラキラと表情を輝かせ、とてもついさっきまで謝罪をしていたとは思えない勢いでその場でぴょんぴょんと身体を弾ませた。
「エ!!ビンタだなんてヤだな~も~~~!! ちょっとタッチしただけじゃないですか、タッチ~!」
そう言いながら、えいえいと空中で軽く手を振ってみせるが、ヴンッ!ヴンッ!!と風切り音が鳴り、明らかに常人のそれではなかった。
「でもサービスって思ってくれてるならベティ嬉しい~~~!! 次はも~~っとサービスしちゃおっかなぁ~!」
と、ここで彼の口から”星座の名”が飛び出そうとし―――
突如目の前に迫る美少女の笑み。思わず尻込みするかのように、身体を後ろに逸らして、瞳を縮小させた。
「あ、あぁベティ、よろしくお願いします。挨拶通り、俺はメーベルだ。俺も名札を付けて来店しようかな」
ベティの張りつめた制服に掛けられたネームプレートに一瞥をやり、それを見て欲しいと無邪気に笑みを浮かべる彼女に釣られて、彼もまた口角を純粋に持ち上げた。ネームプレートで名前を忘れないという発想が気に入ったのか、自身もまた名前を憶えて貰えるようにという冗談交じりのトークを返す。
「あぁ、大丈夫だ。もう背中の衝撃は夜空に消え去って――」
「うん、患部を冷やすどころか凍らせてしまおうという意気込みはヤバいな。全て勢いでどうにかしようとしていないか君」カチカチd
「冷凍庫に入るのがいい未来な訳ないだろ」ガッ
「サービスならさっき貰ったよ。君からの熱烈なビンタ(?)は俺の天体図には存在しなかった星座を記録してくれた。インパクトしかない。星座の名はゴr」カチカチカチカチ!!!!
「ピュア座とでも名付けようかな」
ベティに挨拶を交わす中、計測器が合間を縫って音を出す。懐中時計から鳴っているのがわかりやすい程に、計測器は音を鳴らす度に小刻みに震えていた。振動の度に、器具の反射が輝き、ダイナーの色に併せて白にも赤にも共鳴していた。