「……?」
ルシェの言動に理解を示せないのか、首を傾げて「?」をいくつか浮遊させた。
「し、祝賀会……」
「なんていい響き……」
「ホーンラビットのバターソテーとか、マンドラゴラの素揚げも……」
「あぁ、楽しみ無限大~」
「愉しみの為の楽しみは、あるだけ幸せ~」
「早く帰ってフィリカさんにお願いしましょう~」
やや立ち直り、足幅に異常が無いかを確認する。
何処か逞しく歩くルシェの背を眺め、この後の食事の事を考えつつ彼の後を追っていった。
「もちろん! 情報屋として信用は大切だからね」
「君こそ、世の中を気にしているわりには……どんな世の中でもしたたかにやっていけそうな気がするね」
「褒めてるよ?」
手元を拭う仕草に疑問に思うことなく手を取ってくれたことに満足そうに笑い、彼女を支えながら立ち上がるのを手伝った。
「いやぁほんと、君って『忘れてくれたかな~』って思ったことをことごとく覚えているというか……!」
「あぁいいとも! 盛大に、僕たちの初依頼成功の祝賀会と行こうじゃないか!」
「じゃあ早速完了報告に―――……?」
彼女の様子に首を傾げる。
どこか落ち着かない様子のコトハを見て、いくつか理由を考えてみるが……
(……お手洗い行きたいのかな?)
ありきたりな理由しか浮かばなかった。
\あぁ……見えないや……/
「!!!!」
それから、以前どこかで聞いた”視界不良”。
その理由を知るルシェは再び締まりのない表情でにこにこと笑った
(それを余すことなく見つめるには……膝枕だ……いつか必ずコトハちゃんに膝枕をしてもらうぞ……!!!!!!!)
「いやぁコトハちゃん……それは計算なのか、天然なのか……」
「―――いやいい!! 万が一罠でもいい! 罠でも良いんだ!!」
「ああ^~~元気出てきた……!!」
「さあ行こうかコトハちゃん! 祝賀会が僕らを待ってるよ!!」
不純な決意を胸に秘め、出口へ向かって歩き出したのだった。