────ダダダダダダダダダダ……
誰かが猛ダッシュする音が辺りに響く。それは二人の居るところに向けて近づいてくる……!
────ダダダダダダダ ダ ダ ダ ダ ダ ダッ!!
「ミズヒキさぁ~~~ん!!エクトルさぁ~~~ん!!」
天真爛漫な笑顔で両手を振って近づいてくる少年の姿。それはどこか微笑ましくもあったが……
「お久しぶりでぇぇぇぇぇぇえええええす!!」
ダンッ!! と地面を蹴り上げ、立っているミズヒキに抱き着かんと猛スピードで突っ込んでくる!!
「受け取ってください僕のラヴ!!そしてハーレムに!!!いらっしゃいませぇぇぇええ!!」
「まあまあ、何となくわかった所ですわ。ここをこうして、こう……」
ガチャガチャ……ガチン!!!
「ほらきた!そしてこのレバーを引けば、構造的に……」ボゥッ!!
「あっ!ほら!着きましたわ!火が!!」
ドン引きするミズヒキの制止も聞かず、バーナーの着火に成功。
ぱっと表情が明るくなり、そのままポットの位置を調整、堂々と湯を沸かし始める。
トロイメ団アパート前の、庭と呼ぶにはあまりにも狭い、ほぼ路上に近い敷地の上で。