「優秀な助手、ねえ」
先までのてんやわんやな状況を思い返し、なんとも言えない顔で肩をすくめる。
「保護者にでもなった気分だったが……ま、役に立ったんならいいさ」
ふっと笑い、彼女の感謝に軽く手をあげて応える。
調合室の片付けを終えて出ていこうとするカリスタを見ていたが、
『酒を提供する』という言葉にぴくりと反応した。
「房に帰って一眠りしようかと思ったが」
「酒を奢るときたら話は別だな」
やや口角を上げながら、カリスタの後を追う。
「行こうぜ。お前と飲む酒はうまい」
「今回は普通に酌してくれよ、先生サマ」
わずかにからかうようなニュアンスを含みながらも楽しげに言い、
二人で並んで調合室を後にしたのだった。
「付き合ってくれて感謝するよ、シグ」
「まぁ今回の錬金薬の試薬テストについては、依頼というよりも前回の出来事の帳消し」
「私の感謝だけで済ませておくれ」
調合室の片づけを追えると、普段通りの背格好、袖の余り方で部屋内を歩き回った。
「……さて、今日の分の依頼相談をしなくてはな」
「前倒しで今後の依頼調査に於いても声がかかるはず」
「流石に顔を出さねば困る者もいるだろうし」
「私は酒場に戻るよ」
「君がどうする」
「もし来るなら、飯は奢らんが、酒を提供するぐらいはしてやるぞ」
そうして調合室を後にしながら、シグへと声色を変えて話かけていたのだった。